2026年1月調査で変動型75.0%なら、変動金利の方が有利ですか?
75.0%は、2025年4月から9月に住宅ローンを借りた調査対象1,237人の選択割合です。有利さや将来の安全性を示す数字ではありません。現在の適用金利だけでなく、残高、残期間、返済額の見直し条件、家計の余力を同じ条件で比べます。
この記事の結論
Q. 変動金利が上がりそうです。固定金利へ替えた方がよいですか? A. 2026年1月調査では変動型が75.0%ですが、多数派と家計に合うかは別です。全期間固定型は返済額を読みやすくする代わりに当初金利が高いことがあり、変動型は金利上昇分を家計で受けます。残高、残期間、現在金利、見直し条件の順で比べてください。
住宅金融支援機構の「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)」では、変動型75.0%、固定期間選択型14.9%、全期間固定型10.1%でした。調査対象は、2025年4月から9月に住宅ローンを借りた全国の20歳以上70歳未満、1,237人です。借換えや投資用ローンなどは含みません。
変動型は928人で、回答者4人のうち3人に当たります。ただし、2026年9月に返済中の全契約を数えた市場比率ではありません。調査時期と対象を外して「住宅ローンの75.0%が変動型」と広げると、数字の意味が変わります。
同じ調査では、全回答者の73.7%が今後1年間の住宅ローン金利は上昇すると見ていました。変動型75.0%と同じ人が重なる割合は資料からわかりません。それでも、上昇予想が7割を超える一方で変動型が4分の3だったことは、金利タイプが予想だけでは決まらない事実を示します。
75.0%という数字は、変動型を選べという合図ではありません。 多数派の契約を選んでも、返済をするのは一世帯の家計です。残高、残り年数、収入の揺れ、手元資金が違えば、同じ金利でも耐えられる幅は変わります。私は、この75.0%を「安心の票」ではなく、家計に引き直して読む数字だと考えます。
全国銀行協会の「変動で返す?固定で返す?住宅ローンの金利タイプ」は、全期間固定金利型、固定金利期間選択型、変動金利型を、金利が固定される期間で分けています。名前が似ていても、将来の返済額が決まっている範囲は同じではありません。
| 金利タイプ | 固定される範囲 | 契約書で確かめる箇所 |
|---|---|---|
| 全期間固定型 | 借入時から返済終了まで | 適用金利、借換え時の費用 |
| 固定期間選択型 | 2年、3年、5年、10年など選んだ期間 | 終了日、終了後の金利、再選択の手続と手数料 |
| 変動型 | 返済途中に適用金利を見直す | 基準金利、見直し月、新金利の適用月、返済額変更の仕組み |
全期間固定型は、借入時の金利が返済終了まで変わりません。固定期間選択型は、選んだ期間中だけ金利を固定します。期間終了後に変動型へ移るのか、再固定を選べるのか、手続がなければどうなるのかは、契約商品ごとの確認が要ります。
変動型は、金融情勢などに応じて適用金利を見直します。全国銀行協会の一般的な説明は、金利の見直しを半年ごととしていますが、具体的な基準日と適用日は商品で異なります。2026年6月18日の全国銀行協会の申し合わせも、基準金利、見直し時期、返済額変更ルール、通知方法を、選んだ商品ごとに説明する項目として挙げています。
元金と利息を合わせた毎月額を一定にする元利均等返済では、返済額を5年ごとに見直し、増額を前回の125%までとする商品が一般的です。全商品に一律で付く法律上の仕組みではありません。金利が5年間止まる制度でも、増えた利息が免除される制度でもありません。詳しい読み方は変動金利が上がった後の返済額と5年ルールで整理しています。
住宅ローンの固定と変動には、それぞれ使い道があります。良い点を先に並べるなら、全期間固定型は返済終了までの見通し、固定期間選択型は選んだ期間の見通し、変動型は金利が下がった場合に見直しが反映され得ることです。
返済中に市場金利が上がっても、借入時に決めた金利は変わりません。毎月返済額が契約時に確定するため、教育費や介護費が重なる年も含め、長期の支出表を作りやすくなります。金利の低さを買うというより、返済額が動かない時間を買う選択です。2026年1月調査のフラット35利用者では、77.1%が「金利がずっと変わらない安心」を選択理由に挙げました。
ただし、全期間固定型という名前だけで条件は決まりません。融資率、返済期間、団体信用生命保険などで提示条件は変わります。公表金利の読み方は住宅ローン金利2026年9月と年3.460%の条件で確認できます。
10年間は教育費と返済額を同時に管理したい、といった期間がはっきりしている家計では、選んだ年数の金利を固定する意味があります。全期間を固定する前に、家計の山場だけを区切る考え方です。固定期間の終了後は未確定なので、終了日を家計表に書き、何か月前から次の条件を確認できるかも借入先へ尋ねます。
変動型は金利が上がる場面だけでなく、下がる場面でも契約に沿って見直されます。繰上返済を進める、手元資金を厚くする、固定への変更条件を定期的に取るなど、金利変動へ対応する余地を家計側で持てる方には選択肢になります。低い金利が続く前提ではなく、上がったときにも対応できる資金を残せるかで見ます。
全期間固定型は市場金利が下がっても既存契約の金利が自動では下がらず、借入時の金利が変動型より高い商品もあります。固定期間選択型は期間終了後の金利と返済額が借入時点では決まりません。変動型は金利上昇を返済中の家計で受けます。
住宅金融支援機構の2026年1月調査は、毎月返済額が1万円増えた場合、58.8%が「返済継続」と答えたとしています。3万円増では返済継続が24.2%へ下がり、繰上返済または借換えが44.1%、対応がわからない人が27.2%でした。これは実際に増額された世帯の結果ではなく、仮定への回答です。
月1万円は年12万円、月3万円は年36万円です。 「金利が少し上がる」という言葉のままでは、家計への重さを判断できません。固定へ変更した場合、変動を続けた場合、返済条件を変更した場合の月額を、同じ残高と残期間で並べて初めて比較になります。月3万円増を境にした選択肢は住宅ローン借換えと条件変更でも整理しています。
大石の見方(体験ではなく意見)
私は、返済が不安な夜ほど「固定か変動か」の二択を急がない方がよいと考えています。将来の金利がどちらへ動くか、私にもわかりません。わからないことを予想で埋めるより、契約書に書かれた見直し日と、月1万円増えたときの家計を先に確かめる。その順番なら、結論を今夜出さなくても前へ進めます。
金利が不安な日に行う確認は、固定か変動かを決めることではありません。返済予定表、契約書、金融機関のアプリやWeb明細を開き、現在の契約を五つの数字と条件にすることです。
借入先には「現契約を続ける場合」「固定へ変更する場合」「返済条件を変更する場合」の月額、適用金利、諸費用を書面か画面で出せるかを尋ねます。借換えは別の金融機関との新契約なので、金利差だけでなく諸費用と審査も加わります。比較する基準日をそろえると、広告の数字と自分の返済額が混ざりません。
すでに返済日を過ぎた、督促状が届いた、一括請求の予告がある場合は、金利比較だけに時間を使わず、いまの段階と残り時間を先に確認してください。金融機関へ返済条件を相談する順番が先です。当社は任意売却を率先して勧めません。売るかどうかは、現在地と残る選択肢を並べた後に決められます。
詰んだと決めるのは、まだ早い。 金利タイプは家計の答えそのものではなく、返済額がどう変わる契約かを示す部品です。今夜は五つを書き出す。明日は借入先から三つの試算を取る。それだけでも、漠然とした不安は比較できる数字へ変わります。
確認上の注意
調査結果は対象期間の回答傾向で、個別商品の将来金利や返済額を示すものではありません。金利、手数料、変更条件は金融機関と商品で異なります。契約内容は借入先へ確認してください。債務整理、減免など法律の判断が必要な段階は当社では判断せず、提携する弁護士・司法書士におつなぎします。
大石浩之(磐田市/不動産業)
宅地建物取引士。住宅ローン返済に行き詰まった方の順番を整え、任意売却を率先して勧めない立場で相談を受けています。詳しい立場は私たちの立場をご覧ください。
この記事のよくある質問
75.0%は、2025年4月から9月に住宅ローンを借りた調査対象1,237人の選択割合です。有利さや将来の安全性を示す数字ではありません。現在の適用金利だけでなく、残高、残期間、返済額の見直し条件、家計の余力を同じ条件で比べます。
すべての変動型に同じ仕組みがあるわけではありません。元利均等返済では返済額を5年ごとに見直す商品が一般的ですが、法律上の一律ルールではなく、金利そのものは途中で変わり得ます。契約書や商品説明書で見直し月と返済額の決め方を確認してください。
変更を急ぐ前に、変更後の適用金利、毎月返済額、手数料、残期間を借入先に試算してもらいます。固定へ切り替えられない契約や、借換えに諸費用がかかる場合もあります。返済が厳しいときは、金利タイプだけでなく返済条件の変更も同時に相談します。
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富士ヶ丘サービス株式会社/宅地建物取引士 大石浩之(静岡県知事 第027186号)。 記事の内容は執筆時点の法令・公表資料にもとづきます。 個別の事案の見通しを示すものではありません。