いま、どこにいますか。

住宅ローンの返済が滞ってから家を失うまでには、段階があります。 段階ごとに、まだ選べる手と、残された時間が変わります。 自分に近いものを探してください。

このページは読むだけで完結します。お名前もメールアドレスもいただきません。

下にいくほど、選べることが減っていきます。 いちばん多く見られるのは1〜3の段階で、いちばん急ぐのは5以降です。

段階まだ選べる手の広がり少ない1返済がきつい2滞納1〜2か月3滞納3か月前後4一括請求・代位弁済5競売の開始決定6現況調査・期間入札の公告7開札次の段階へ進むまでの期間は、契約と事案により異なるため示していない。
段階と、選べる手の広がり。出典:民法459条・499条・501条、民事執行法45条・57条・64条・76条。 帯の長さは選べる手の広がりを表す図式であり、件数・期間・確率を示すものではない。
契約の定め何か月で失うか債権者の判断いつ申し立てるか裁判所の日程公告で示されるどれも、ご本人が決められない
残り時間を決めているもの。出典:民法137条、民事執行法49条・64条・76条。 期間の長短ではなく、決定が誰の側にあるかを示す図。
読むときの注意何か月で次の段階に進むかは、法律ではなく借入時の契約で決まる部分があります。 このページでは、条文で確かめられることと、契約によって変わることを分けて書いています。ご自身の期限は、届いた通知に書かれている日付でご確認ください。
01

返済がきつい

まだ滞納はしていないが、続けられる気がしない

滞納が始まる前のこの時点が、選べる手がいちばん多い段階です。信用情報にも、まだ滞納の記録は残っていません。

この段階で選べること

  • 借入先に返済方法の変更(返済期間の延長、一定期間の減額など)を相談する
  • 家計の支出を組み直して、返済を続けられる形を探す
  • 売った場合にいくらで、残債がどうなるかだけ調べて、判断材料にする

次に起きること

返済が滞ると、借入先からの督促が始まります。

期限に追われていない唯一の段階です。ここで動けるかどうかで、選べる手の数が変わります。

根拠

  • 住宅金融支援機構「タイプ別返済方法変更メニュー」— 離職や病気等で返済が困難な場合、返済期間の延長(最長15年)や、失業中・収入が20%以上減少した場合に元金の支払いを一時休止して利息のみを支払う期間(最長3年)の設定を案内している
02

滞納1〜2か月

引き落としができず、督促の電話や書面が来ている

返済が遅れた事実が記録され始めます。ただし、この時点ではまだ借入先との話し合いの余地が残っていることが多い段階です。

この段階で選べること

  • 借入先に事情を伝え、返済方法の変更を相談する
  • 遅れている分を立て直せる見通しがあるか、具体的な数字で確かめる
  • 見通しが立たない場合に何が起きるか、先に知っておく

次に起きること

滞納が続くと、契約の定めにより「期限の利益」を失い、残りの全額を一括で請求される段階に進みます。

まだ裁判所は関与していません。動ける幅が残っています。

03

滞納3か月前後

「このままでは一括請求になる」という趣旨の通知が届いた

ここが分岐点です。何か月で期限の利益を失うかは法律ではなく、借入時の契約(金銭消費貸借契約)の定めによります。通知の文面に書かれている期限を、まず確かめてください。

この段階で選べること

  • 通知に書かれた期限までに、借入先と返済方法の変更を詰める
  • 返済を続けるのが難しいなら、この段階から売却の準備を始める(早いほど条件は選べます)
  • 債務の減免や法的整理が必要かどうかは、弁護士・司法書士に相談する

次に起きること

期限の利益を失うと、残額の一括請求に進みます。保証会社が付いている場合は、次の段階に移ります。

通知に書かれた期限が、実際の締切です。「まだ大丈夫」と読まないでください。

04

一括請求・代位弁済

保証会社や債権回収会社から通知が届いた

保証会社が本人に代わって借入先に弁済すると、その保証会社は本人に対して求償権を持ち、あわせて借入先が持っていた抵当権などの権利も行使できるようになります。連絡する相手が、銀行から保証会社に変わります。

この段階で選べること

  • 任意売却(債権者の同意を得て、市場で売る)を検討する
  • 親族による購入や、他の資金調達の見込みがあるか確かめる
  • 債務整理が必要な状況かどうか、弁護士・司法書士に相談する

次に起きること

話し合いがまとまらないまま時間が経つと、抵当権にもとづく競売が申し立てられます。

この段階の任意売却は、まだ落ち着いて進められます。競売の申立て後より、条件を整えやすい時期です。

根拠

  • 民法459条1項(委託を受けた保証人の求償権)
  • 民法499条・501条1項(弁済による代位。代位した者は、債権の効力および担保として債権者が有していた一切の権利を行使できる)
05

競売の開始決定

裁判所から「担保不動産競売開始決定」が届いた

執行裁判所が競売の手続を開始し、その決定のなかで不動産を差し押さえる旨を宣言します。この決定は債務者に送達されます。住宅ローンは抵当権にもとづく担保不動産競売として進みます。開始決定がされた旨と配当要求の終期は公告されます。

この段階で選べること

  • 任意売却は、この段階でもできます。競売の申立てが取り下げられれば手続は終わります
  • 債権者と、売却価格・配分の見込みを詰める
  • 手放したあとの住まいを、並行して探し始める

次に起きること

執行官による現況調査が行われ、売却の準備が進みます。

裁判所の手続は、こちらの都合では止まりません。ここからは日程が外側で決まっていきます。

根拠

  • 民事執行法45条1項・2項(開始決定において差押えを宣言し、決定は債務者に送達される)
  • 民事執行法49条1項・2項(配当要求の終期を定め、開始決定がされた旨とともに公告する)
  • 民事執行法181条・188条(抵当権などの担保権の実行として行われ、不動産執行の規定が準用される)
06

現況調査・期間入札の公告

執行官が家に来た。入札の日程が公告された

執行裁判所は執行官に現況調査を命じます。執行官は不動産に立ち入り、占有している人に質問することができます。作成された物件明細書の写しは、一般の閲覧に供されます。売却が入札の方法で行われるときは、売却基準価額と日時・場所が公告されます。

この段階で選べること

  • 任意売却は、まだできます。ただし残り時間が短く、買主を決めて債権者の同意を得るまでを、公告された日程の内側で終える必要があります
  • 間に合わない場合に何が起きるかを、先に確かめておく
  • 引っ越し先の確保を最優先にする

次に起きること

入札が行われ、開札の期日を迎えます。

公告で日程が示されるため、残り時間がはっきりします。ここから逆算してください。

根拠

  • 民事執行法57条1項・2項(執行裁判所は執行官に現況調査を命じ、執行官は立ち入り、質問等ができる)
  • 民事執行法62条1項・2項(物件明細書を作成し、その写しを一般の閲覧に供する)
  • 民事執行法64条3項・5項(入札等の方法により売却する場合、売却すべき不動産・売却基準価額・日時・場所を公告する)
07

開札

入札が始まった。または開札の日を過ぎた

買受けの申出があったあとに競売の申立てを取り下げるには、最高価買受申出人または買受人などの同意が必要になります。任意売却が実務上「入札が始まる前まで」と言われるのは、この定めがあるためです。そのあとは売却決定期日で許可・不許可が言い渡され、買受人は代金を納付した時に不動産を取得します。

この段階で選べること

  • この段階では、選べることはほとんど残っていません
  • 引渡しの時期と、引っ越し費用の相談に切り替える
  • 売却代金で残債が消えない場合の、その後の返済について弁護士・司法書士に相談する

次に起きること

売却が許可され、代金が納付されると、所有権は買受人に移ります。

ここで選択は終わります。1日でも早いほうがよかった、と後から分かる段階です。

根拠

  • 民事執行法76条1項(買受けの申出があった後に申立てを取り下げるには、最高価買受申出人または買受人および次順位買受申出人の同意を要する)
  • 民事執行法69条(売却決定期日を開き、売却の許可または不許可を言い渡す)
  • 民事執行法79条(買受人は、代金を納付した時に不動産を取得する)

段階が分かったら、次は選び方です。

任意売却は、この段階表のどこにいても選べる手のひとつでしかありません。 返済方法の変更で立て直せるなら、そのほうがよい場合があります。 債務の整理が必要なら、それは弁護士・司法書士の仕事です。

当社は不動産会社なので、できることとできないことがはっきりしています。その線引きは 私たちの立場 に書きました。

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このページの法令の記述は、e-Gov 法令検索で公開されている民事執行法(昭和五十四年法律第四号) および民法(明治二十九年法律第八十九号)の条文、ならびに住宅金融支援機構が公表する 返済方法変更の案内にもとづいて作成しました(2026年8月23日時点)。 個別の事案の見通しを示すものではありません。 実際の手続や期限は、お手元の通知と、担当の裁判所・債権者にご確認ください。

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