返済方法の変更は、申し出れば通りますか。
通るとは限りません。住宅金融支援機構は「審査の結果、お客さまのご希望に添えない場合もありますので、あらかじめご了承ください」と明記しています。またAタイプの条件には「返済方法の変更により、今後の返済を継続できる方」という項目があり、変更後に返済を続けられる見通しが立つかどうかを見られます。「この審査は一定の時間を要します」とも書かれているため、余裕をもって相談してください。
この記事の結論
返済が苦しいとき、最初に当たるのは借入先への相談です。住宅金融支援機構は返済期間の延長(最長15年)や、失業中・収入20%以上減の方に元金据置期間(最長3年)を設けるメニューを公表しています。ただし審査があり、機構自身が「ご希望に添えない場合もあります」と書いています。滞納が浅いうちほど選べる手です。
このサイトは任意売却の相談窓口ですが、当社は任意売却を率先して勧めません。返済を続けられるなら、そのほうがよいからです。家を手放さずに済む可能性が残っているうちに、その可能性を先に確かめておきたいと考えています。
返済方法の変更は、当社の仕事ではありません。手続の窓口はご返済中の金融機関です。それでも1本目の記事にこれを選んだのは、この順番を飛ばして売却の相談に来られる方が少なくないためです。
フラット35など機構の融資を利用している場合、返済方法の変更にはタイプ別のメニューがあります。機構が公表している内容は次のとおりです。
対象は「離職や病気等の事情により返済が困難となっている方」で、次のいずれかに該当する方とされています。
返済負担率の基準は、年収300万円未満で30%、300万円以上400万円未満で35%、400万円以上700万円未満で40%、700万円以上で45%とされています。
ただし、ここに並ぶ率は返済方法変更メニューの要件であり、利用者全体の平均ではありません。平均総返済負担率22.8%の定義と、ご自身の家計へ置き直す手順は、住宅ローン返済比率|2025年度22.8%の見方に整理しました。
内容は返済期間の延長(最長15年)です。さらに、失業中の方または収入が20%以上減少した方は、元金の支払いを一時休止し、利息のみを支払う期間(最長3年)を設けることができるとされています。
失業中の毎月の入金見込みは、離職前の賃金をそのまま置かずに計算する必要があります。2026年8月1日からの年齢別の基本手当日額上限と、住宅ローン返済額との差の出し方は、失業給付と住宅ローンに整理しました。
「お子様の進学による教育費、入院による医療費など一定期間支出の増加が見込まれる場合」が対象です。相談のうえ決めた期間内で、返済額を減らすことができるとされています。
ボーナス返済月の変更、毎月返済とボーナス月返済の内訳の変更、ボーナス返済の取り止めの3つです。ボーナスが減った、あるいは無くなったという理由で返済が苦しくなっている場合、まずここを見る価値があります。
次の冬の増額返済を用意できず、毎月払いのみへ組み替えたい方は、住宅ローンのボーナス払い|2026年冬前の変更手順で、借入先へ確認する日付と手続きの順番を確かめてください。
都合のよいことだけ書いても仕方がないので、機構自身が書いていることをそのまま引きます。
審査の結果、お客さまのご希望に添えない場合もありますので、あらかじめご了承ください。
変更は申し出れば通るものではありません。機構は「この審査は一定の時間を要します」とも書いています。時間がかかることを前提に、早く動く必要があるということです。
もうひとつ、Aタイプの条件には「返済方法の変更により、今後の返済を継続できる方」という項目があります。変更したあとに返済を続けられる見通しが立つかどうかを見られる、ということです。収入が戻る見込みがないまま期間だけを延ばしても、苦しさが先に延びるだけになりかねません。
機構は、具体的な申請手続について「ご返済中の金融機関(融資のお申込先の金融機関)にご連絡ください」としています。機構に直接ではなく、借りている金融機関が窓口です。流れは次のように示されています。
機構以外の銀行から借りている場合も、相談の窓口は借入先です。制度の名前や条件は各行で異なりますが、返済が苦しくなったときに相談を受ける仕組みそのものは、どの金融機関にもあります。
借入先へ相談しても担当部署や回答時期が見えないときは、住宅ローン相談が銀行で進まない時|金融庁窓口の限界で、金融庁の相談窓口にできることとできないこと、次に借入先へ確認する項目を整理しました。
電話の前に何を手元へ置くか、次回返済日・契約・収入変化・不足額の4項目に分けた準備表は、住宅ローン返済相談の準備に整理しました。
別の金融機関への借換えと、現在の借入先での返済条件変更をどう比べるかは、月3万円増を分岐にした比較記事で、反映日・費用・最終返済日・総支払額の順に整理しました。
ここが実務の勘どころです。返済方法の変更は、滞納が浅いうちのほうが話が通りやすい傾向があります。審査に時間がかかること、そして「今後の返済を継続できる」ことが条件に入っていることを考えれば、理由は分かると思います。
滞納が続いて期限の利益を失い、一括請求や代位弁済に進んでしまうと、相手は保証会社や債権回収会社に変わります。そうなってから返済期間を延ばす話に戻すことは、通常できません。段階ごとに何が選べるかは今どこにいるかにまとめました。返済方法の変更が現実的なのは、おおむね1〜3の段階です。
変更しても返済を続けられない、あるいは審査に通らなかった。そのときに初めて、売却が選択肢に入ります。
その場合でも、当社は売却を急がせません。親族に買っていただく方法、そのまま競売を受ける判断、法的な整理——それぞれに向き不向きがあります。並べたものを任意売却以外の選択肢に書きました。
借入先との話が折り合わなかったときに、裁判所の側に置かれている手続として特定調停があります。費用が小さく、申立ては本人でもできる一方で、抵当権の内容は抵当権者が同意しなければ変わりません。何を決められて何を決められないかは、特定調停は任意売却の代わりになるかに条文の側から書きました。
売った家にそのまま住み続ける形(リースバック)を検討される場合は、任意売却と何が違うのかを先に分けておいたほうが読み違えません。2026年10月1日から施行される国土交通省のガイドラインで、賃料や契約期間を告げないことが禁じられた点も含めて、リースバックと任意売却の違いに整理しました。
当社が任意売却をお手伝いするのは、他の手を確かめたうえで、それでも売るという判断になったときです。私たちの立場に、できることとできないことを書いています。
なお、まだ滞納が始まっていない段階で「金利が上がって返済を続けられるか分からない」という場合は、返済額の見直しの仕組みを先に確かめる順番になります。5年ルールと呼ばれている取扱いが法律ではなく契約の定めであることは、変動金利が上がった後の返済額にまとめました。
この記事のよくある質問
通るとは限りません。住宅金融支援機構は「審査の結果、お客さまのご希望に添えない場合もありますので、あらかじめご了承ください」と明記しています。またAタイプの条件には「返済方法の変更により、今後の返済を継続できる方」という項目があり、変更後に返済を続けられる見通しが立つかどうかを見られます。「この審査は一定の時間を要します」とも書かれているため、余裕をもって相談してください。
借りている金融機関です。機構は具体的な申請手続について「ご返済中の金融機関(融資のお申込先の金融機関)にご連絡ください」としています。機構以外の銀行から借りている場合も、窓口は借入先です。制度の名称や条件は金融機関ごとに異なりますが、返済が苦しくなったときの相談を受ける仕組み自体は、どの金融機関にもあります。
段階によります。滞納が浅いうちのほうが話は通りやすい傾向があります。期限の利益を失って一括請求や代位弁済に進むと、相手が保証会社や債権回収会社に変わるため、返済期間を延ばす話に戻すことは通常できません。ご自身がどの段階にいるかは「今どこにいるか」でご確認ください。
手続そのものは当社の仕事ではありません。窓口は借入先の金融機関です。当社にできるのは、いまどの段階にいて、返済方法の変更が現実的な時期かどうかを一緒に確かめることと、それでも見通しが立たない場合に売却という手段をご説明することです。当社は任意売却を率先して勧めません。
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富士ヶ丘サービス株式会社/宅地建物取引士 大石浩之(静岡県知事 第027186号)。 記事の内容は執筆時点の法令・公表資料にもとづきます。 個別の事案の見通しを示すものではありません。