返済ノート

火災保険と地震保険の違い|補償の3つの比較

この記事の結論

Q:返済が厳しい。火災保険と地震保険は何が違う? A:火災保険では地震による火災は補償されません。地震保険は火災保険に付けて契約し、保険金額は火災保険金額の30~50%です。建物5,000万円・家財1,000万円が限度で、修理代全額を約束するものではありません。保険料を減らす前に、対象災害・契約・保険金額を分けて確認します。

2026年10月16日確認。対象は「返済がきつい」段階です。この記事は加入や解約を勧めるものではなく、今ある契約の違いを確かめるための比較です。

1 対象災害:火の原因で分かれる地震による火災 → 火災保険では補償されない地震・噴火・津波による対象の損害 → 地震保険2 契約:二つから一つを選ぶ関係ではない地震保険は火災保険に付けて契約する契約中の火災保険に途中から付けることもできる3 保険金額:修理代やローン残高とは別地震保険金額は火災保険金額の30~50%限度:建物5,000万円/家財1,000万円
財務省「地震保険制度の概要」をもとに作成した本記事固有の比較図。実際の支払額は損害の認定などで変わります。

1 対象災害の違い:地震による火災は別に考える

火災保険と地震保険の違いは、まず損害の原因にあります。財務省は、地震を原因とする火災や、地震で延焼・拡大した損害は火災保険では補償されないと説明しています。「火事なら火災保険」という名前だけの判断では、補償の空白を見落とします。

地震保険は、地震・噴火・それらによる津波を原因とする火災、損壊、埋没、流失を対象にした保険です。対象になるのは居住用の建物と家財です。同じ家が燃えた場合でも、原因を分けて確認する必要があります。被害を見ただけで、どちらから支払われるかを持ち主が決めるものではありません。

ここは、保険料を減らす前に知っておきたい不利な情報です。火災保険の契約を残していても、地震保険を外せば、地震による損害への備えは同じままではありません。一方、地震保険に入っていても、あらゆる損傷に保険金が出るわけではありません。対象と損害の程度の確認が別にあります。

建物と家財も一緒にせず、保険証券の欄を分けて見ます。建物について契約していることから、家具や生活用品にも同じ補償があるとは判断できません。家計で備えたい支出が建物の修理なのか、生活用品の買い直しなのかを考え、それぞれの契約内容を加入先へ聞きます。

災害後に自治体へ求める書類と、保険会社の認定も分けておきます。関連する書類は罹災証明書と住宅ローン返済の確認に整理しました。この記事の比較だけで保険金の支払可否を決めず、実際の損害については保険会社・代理店へ確認してください。

2 契約の違い:地震保険は火災保険とセット

地震保険は、火災保険に付ける形で契約します。財務省の案内では、火災保険にすでに加入している場合、契約期間の途中から地震保険に加入することもできます。火災保険か地震保険か、二つのうち安い方を一つ選ぶ関係ではありません。

損害保険料率算出機構は2026年8月25日、2025年度の地震保険付帯率を公表しました。全国平均は70.8%で、前年度の70.4%から0.4ポイント増えています。「付帯」は、火災保険に地震保険を付けていることです。この数字が、本記事で二つの契約の関係を見直す入口です。

付帯率の分母は、その年度に契約された火災保険の住宅物件の契約件数です。全国の全世帯を数えた加入率ではありません。「約7割の人が入っているから、自分も同じ契約にする」という使い方はしません。割合を知っても、各家庭の保険料負担や備えが足りるかまでは分からないからです。

私は、制度の良い点は、火災保険の契約中でも補償を見直す入口があることだと考えます。ただし、今の家計に合うかは別の検討です。保険料の見積りだけでなく、変更が有効になる日、現在の補償との差、支払方法を並べて説明してもらいたいところです。

証券が見つからない夜は、契約先の名称と契約番号を確認できる資料を探すところまでで構いません。ウェブの契約画面などに記載があれば、建物と家財の欄を見ます。明日聞くことを「地震保険の有無」「それぞれの保険金額」「次の保険料支払日」の三つに絞ると、電話の用件を伝えやすくなります。

保険の見直しと、修理サービスの契約は別の話です。勧誘を受けている場合は、火災保険の申請サポートを頼む前の確認も参照してください。契約を急いで結論づけるより、まず自分の加入先に補償を確かめる順番を取ります。

3 保険金額の違い:修理代全額を約束する数字ではない

地震保険の保険金額は、火災保険の保険金額の30~50%の範囲で決めます。財務省の案内では、建物は5,000万円、家財は1,000万円が限度です。火災保険で設定した額を、そのまま地震保険でも受け取れると考えないようにします。

「保険料」と「保険金額」と「支払保険金」は別の数字です。保険料は契約者が支払う費用です。保険金額は契約で設定する補償の額で、被災時に振り込まれる額そのものではありません。実際の支払いには、保険の対象と損害の認定などが関わります。

計算だけの仮の例を置きます。建物の火災保険金額が2,000万円なら、地震保険金額の設定範囲は600万~1,000万円です。2,000万円に30%と50%を掛けた数字です。これは契約の範囲を比べるための例で、相談事例でも、修理費や受取額の見積りでもありません。

財務省は、2017年1月1日以降に保険期間が始まる地震保険について、全損、大半損、小半損、一部損の区分を示しています。支払額は区分に応じて変わり、時価額による限度もあります。保険金額が1,000万円でも、小さな損害でその額をそのまま受け取る仕組みではありません。

地震保険は被災者の生活の安定を支えるための制度です。建て直しの費用を全額賄う保険と受け止めると、計画にずれが出ます。私は、保険金額の欄を見るときは「これで家と暮らしを全部元に戻せる」と読まず、自己資金で備える部分も残る数字として読むのがよいと考えます。

住宅ローンの残高とも分けます。残高が多いから同じ額の保険金が支払われる、という関係ではありません。保険金の使途や借入先との契約関係は、保険会社と借入先へ個別に確認してください。未確定の保険金を、次回返済日に使える預金として計上しないことが家計の出発点です。

4 私は、削れる保険料より先に失う補償を見る

保険料を見直すときは、減る支出と失う補償を一組で比較します。今月の負担額だけでは、変更後の家計を判断できません。私は大石浩之(磐田市/不動産業)、宅地建物取引士として、住宅ローン返済と住まいを考える際にも、この順番を先に置きます。

私はこう考えます。保険料が下がることと、暮らしが持ち直すことは同じではありません。今月いくら減るかと同時に、何が起きたときに自己資金が必要になるかを一行添える。数字と段取りを並べてから判断することが、返済に余裕がない家計ほど役に立つはずです。

ただ、私にも迷いはあります。手元のお金が足りない方に、補償を残す話だけをしても、次の引落しに間に合う答えにはなりません。かといって、契約内容も分からないまま解約を勧めることもできません。ここは一般論で結論を出さず、支払日と変更後の条件を確かめるところから始めたいのです。

今夜できる確認は、証券や契約画面にある「地震保険の有無」を見ることです。その横に、建物・家財の保険金額を書きます。次の保険料支払日と住宅ローン返済日も別々に記録します。資料にない欄は推測で埋めず、加入先への質問として残してください。

変更を相談するなら、補償が変わる日と支払額を聞き、今月の不足に間に合うかを確認します。解約などでお金が戻ることを、確認前から返済計画に入れないようにします。保険料を見直しても返済不足が残るなら、保険の結論を待たずに借入先へ連絡する準備を進めます。

借入先への相談は、返済がきついときの返済方法変更の相談に整理しています。当社は任意売却を率先して勧めず、買い取る側にも回りません。債務整理や減免などの法律判断が必要な場合は、提携する弁護士・司法書士におつなぎします。

出典・確認日

損害保険料率算出機構「2025年度地震保険付帯率の公表」(2026年8月25日公表)。同機構「地震保険 市区町村別付帯率」の付帯率の定義。財務省「地震保険制度の概要」の概要・補償内容・保険金の支払。いずれも2026年10月16日確認。

個別の契約について

制度や取扱いは変わることがあります。補償内容、保険料、変更日、支払可否は加入先へ確認してください。本記事は個別商品の推奨や加入・解約の判断を行うものではありません。権利関係などの法律判断は専門家へご相談ください。

磐田市で不動産業を営む宅地建物取引士・大石浩之の著者写真

大石浩之(磐田市/不動産業)
宅地建物取引士。返済と住まいの相談で、判断する順番を整えます。著者のプロフィールと立場。

一次情報:https://www.giroj.or.jp/news/2026/20260825.html

地震が原因の火災でも、火災保険で補償されますか?

財務省の案内では、地震を原因とする火災や、地震により延焼・拡大した損害は火災保険では補償されません。地震保険は地震・噴火・津波による対象の損害に備える保険です。火災という名前だけで判断せず、証券で地震保険の有無と建物・家財の契約を分けて確認してください。個別の支払可否は加入先に確認します。

地震保険だけを契約することはできますか?

地震保険は火災保険に付けて契約する仕組みで、火災保険への加入が前提です。財務省は、すでに契約している火災保険に途中から地震保険を付けることもできると案内しています。二つから安い方を一つ選ぶ関係ではありません。見直す際は加入先に現在の契約内容、変更が有効になる日、保険料と支払方法を確認してください。

地震保険があれば家の修理代を全額賄えますか?

修理代全額を賄うとは限りません。地震保険金額は火災保険金額の30~50%で設定し、建物5,000万円、家財1,000万円が限度です。実際の支払額は損害の区分などによって変わり、時価額による限度もあります。契約上の保険金額と受取額を区別し、未確定の保険金を住宅ローン返済に使える預金として数えないようにします。

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富士ヶ丘サービス株式会社/宅地建物取引士 大石浩之(静岡県知事 第027186号)。 記事の内容は執筆時点の法令・公表資料にもとづきます。 個別の事案の見通しを示すものではありません。

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