元利均等だと、毎月払っているのに残高が減らないのはなぜですか?
返済額には元金と利息が含まれ、残高を減らすのは元金部分です。固定金利の元利均等では、借入当初は後半より利息の割合が大きくなります。引落額の全額が元金を減らすわけではありません。返済表の同じ回の元金・利息・返済後残高を確認し、実際に残高が減っていない、または表と違う場合は借入先に内訳を確認してください。
この記事の結論
Q:元利均等と元金均等は何が違う? A:元利均等は元金と利息を合わせた返済額、元金均等は元金部分をそろえる方式です。同じ借入額・固定金利・期間なら、元金均等は総返済額を抑えられる一方、当初の月額負担が重くなります。返済が苦しい今は、方式変更を即決せず、返済表の月額・元金・利息と次回の不足額を確認します。
元利均等は元金と利息を合わせた返済額をそろえる方式です。元金均等は毎回返す元金をそろえる方式です。固定金利か変動金利かという区分とは、見ている場所が違います。「均等」という名前だけで、将来の引落額まで変わらないとは判断できません。
先に不利な点を置きます。同じ借入額・金利・期間で比べると、元金均等は当初の返済負担が重くなります。総返済額が少ないという理由だけでは、返済が苦しい今の契約を変える根拠になりません。途中変更の可否や条件は、借入先への確認が必要です。
独立行政法人住宅金融支援機構の2026年1月調査では、金利リスクの理解に不安がある等の回答が52.0%でした。対象は2025年4〜9月に住宅ローンで住宅を取得した人で、回答は1,237件です。公表日は2026年2月20日。これは返済方式の理解度を測った数字ではありません。
私は、この52.0%から「半数が返済方式を知らない」とは言いません。ただ、毎月払っている金額の中身を確かめ直す入口にはなると考えます。返済方式と金利タイプを紙に別々に書く。それだけでも、借入先へ聞くことが整理できます。
金利タイプの違いは、住宅ローンの固定・変動の比較で分けて確認できます。この記事では方式の比較に絞り、機構が示す「2,000万円・固定金利年1.5%・30年」の概算を使います。現在の募集金利や、読者の契約を示す数値ではありません。
機構の参考試算では、12回目の返済額は元利均等が69,024円、元金均等が79,791円です。同じ2,000万円を借りた比較でも、その回の支払いに10,767円の差があります。元金均等の12回目を「初回の金額」と読み替えないでください。
| 見る項目 | 元利均等 | 元金均等 |
|---|---|---|
| 12回目の月額 | 69,024 | 79,791 |
| 12回目の元金部分 | 44,634 | 55,555 |
| 60回返済後の残高 | 17,258,727 | 16,666,700 |
| 総返済額 | 24,848,426 | 24,512,368 |
私は、元利均等の良さを「当初の月額を抑え、支出予定を組みやすいこと」と捉えます。手取りから生活費を引いた残りで返せるか。返済が苦しい人にとっては、完済時の合計だけでなく、次回の引落日を越えられるかが判断材料です。
その上で注文を付けるなら、引落額だけを見て安心しないことです。元金と利息の内訳も並べて初めて、残高がどれだけ減ったかを確かめられます。月額が同じであることと、同じ額だけ借入残高が減ることは別です。
金利が動く契約には、この固定金利の表をそのまま当てはめられません。返済額の見直し時期などは契約を確認します。変動金利と5年ルールの確認事項も、方式の名前とは分けて読んでください。
借入残高を減らすのは、返済額のうち元金に充てた部分です。機構の元利均等の例では、12回目の69,024円の内訳は元金44,634円、利息24,390円です。引落額と残高の減少額が一致しなくても、その事実だけで返済の異常とは言えません。
同じ回の元金均等は、元金55,555円と利息24,236円です。元金部分が大きい分、借入残高の減り方も早くなります。60回返済後の残高を比べると、元利均等は17,258,727円、元金均等は16,666,700円。差は592,027円です。数字は機構掲載の概算で、端数処理によって実際の返済表とは異なります。
返済表を開いたら、まず同じ回の「返済額」「元金」「利息」を横に追います。次に、ひとつ前の回と今回の返済後残高を比べます。別の月の引落額と残高を混ぜると、何を払った数字なのか分からなくなります。ボーナス返済分の欄が分かれている契約なら、その欄も確認が必要です。
私は「こんなに払ったのに」という気持ちを、計算が分かっていないからだとは片付けたくありません。通帳から出ていったお金は、生活に使えなくなったお金だからです。ただ、今後の判断では支払済みの合計と現在の残高を分けます。家をどうするか考える場合も、過去の支払い総額を現在の残高の代わりにはできません。
機構の同条件の試算では、総返済額は元利均等24,848,426円、元金均等24,512,368円です。差の336,058円は、30年間の比較結果です。今月その金額が手元に残る話でも、方式を変えれば同額が節約できるという約束でもありません。
元金均等は元金の減少が早く、その後の利息負担を抑えられる点が利点です。一方、この記事の比較は借り始めから同条件で返す表です。返済途中の契約では、残りの元金と期間が異なります。手数料や変更後の条件を確認せずに、掲載された総額の差を自分の効果として使わないでください。
私は、ここで判断に迷う余地を残します。総額を減らしたい気持ちも、月額を増やしたくない気持ちも自然です。どちらを優先するかは、手元に残る生活費と今後の収入が分からなければ決められません。今の契約を選んだことまで、比較表一枚で失敗と決める必要はありません。
総返済額が小さいことと、今の家計で続けられることは別です。私は数字を、持ち主の次の支払いに引き直して考えます。返済表の理解が目的の今日は、借換えや売却の結論まで出さなくてよい。元金の減り方が分かったなら、判断材料はひとつ増えています。
返済が苦しいときの最初の作業は、現在の返済条件と次回の支払いを同じメモに置くことです。方式を比較する知識は、そのメモを正確にするために使えます。この記事を読むだけで契約条件や引落額が変わるわけではありません。
方式や欄の意味が分からなければ、借入先に「返済予定表のこの回の元金と利息を教えてください」と聞けます。支払いが難しい見込みもあるなら、その点は別に伝えます。表の読み方が全部分かるまで、相談を待つ必要はありません。
私は、不足額が出ている人には、方式の優劣を調べ続けるより、次回返済日と不足額を伝える順番を勧めます。必要な準備は住宅ローン返済相談の4項目で確認できます。希望する変更が認められるとは限らないため、利用条件と反映時期は借入先で確かめてください。
当社は任意売却を率先して勧めません。私の考える今日の到達点は、家を売る決心ではなく、自分の返済表を説明できることです。法律判断が必要な話は、提携する弁護士・司法書士におつなぎします。詰んだと決めるのは、まだ早い。まず数字と順番を整えます。
出典・確認日
いずれも2026年10月11日確認。公開日:2026年10月11日。
制度や取扱い、数値は変わることがあります。固定金利の参考試算は、個別契約の返済額や変更の効果を保証しません。契約条件は借入先へ、個別の法律判断は弁護士・司法書士へ確認してください。

大石浩之(磐田市/不動産業)
宅地建物取引士。返済に困った方の現在地と順番を整理する立場で書いています。著者と相談室の立場。
この記事のよくある質問
返済額には元金と利息が含まれ、残高を減らすのは元金部分です。固定金利の元利均等では、借入当初は後半より利息の割合が大きくなります。引落額の全額が元金を減らすわけではありません。返済表の同じ回の元金・利息・返済後残高を確認し、実際に残高が減っていない、または表と違う場合は借入先に内訳を確認してください。
総返済額だけでは決められません。同じ借入額・固定金利・期間の比較では元金均等の総額は少なくなる一方、当初の月額負担が重くなります。返済途中の変更可否、費用、変更後の月額は借入先に確認が必要です。借り始めからの比較試算を、現在の契約を変えた場合の節約額として使わず、生活費を残して続けられるかを比べてください。
表の読み方を全部理解してから相談する必要はありません。借入先に返済予定表のどの回かを伝え、元金と利息の内訳を確認します。支払いが難しい見込みなら、次回返済日と金額、入金予定、生活費を引いた不足額も伝えてください。この記事の比較は相談準備の材料です。希望する条件変更が認められるかは借入先の確認が必要です。
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富士ヶ丘サービス株式会社/宅地建物取引士 大石浩之(静岡県知事 第027186号)。 記事の内容は執筆時点の法令・公表資料にもとづきます。 個別の事案の見通しを示すものではありません。