通院費は医療費控除、市販薬代はセルフメディケーション税制にできますか?
同じ納税者の同じ年分で、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制を併用することはできません。支出を分けても併用にはならず、一方を選びます。申告後に更正の請求や修正申告で他方へ変更できないため、申告前に同じ年の対象費用を揃えて比較します。個別の適用と税額は税務署または税理士へ確認してください。
この記事の結論
Q:通院費と市販薬代が重なった。2つの控除は両方使える? A:セルフメディケーション税制と通常の医療費控除は、同じ人の同じ年分で併用できず、一方を選びます。対象費用・控除額・健診等の条件を別々に確認し、申告前に比較します。控除額は還付額ではありません。未確定の還付を次回返済の資金に入れず、個別の適用・税額は税務署または税理士へ確認してください。
控除を使えても、次回の住宅ローン返済に間に合う入金があるとは限りません。通院費と市販薬代が重なった家計では、税金の比較と返済日の確認を分けます。本記事は2026年分の支出を整理するための一般的な比較です。厚生労働省と国税庁の原文を2026年10月6日に確認しました。
セルフメディケーション税制は、通常の医療費控除の特例です。国税庁No.1131は、同じ納税者の同じ年分について一方を選ぶと説明しています。通院費に通常の医療費控除、市販薬代に特例という分け方で併用することはできません。
| 比較項目 | 通常の医療費控除 | セルフメディケーション税制 |
|---|---|---|
| 集める費用 | 控除対象となる医療費 | 対象となる特定一般用医薬品等の購入費 |
| 基本の計算 | 支払額から補てん額を引き、さらに10万円を引く。総所得金額等が200万円未満なら10万円に代えて総所得金額等の5% | 購入費から補てん額を引き、さらに1万2,000円を引く |
| 控除額の上限 | 200万円 | 8万8,000円 |
| 健診等の条件 | 特例のような「一定の取組」の要件はない | 申告する本人が、その年中に一定の健診・予防接種等を行っていること |
| 申告 | 確定申告で明細書を提出 | 確定申告で明細書を提出 |
表の上限は戻ってくる現金の上限ではありません。どちらも所得控除で、税額を計算する際の所得から差し引く金額です。対象となる支出の範囲や補てん額を確認し、個別の適用・税額は税務署または税理士に確認します。
「医療費が10万円に届かないから何もできない」とは限りません。通常の医療費控除でも所得に応じて基準が変わります。特例には別の基準があります。ただし、小さい基準だけを見て特例を選ぶと、通院費を含めた比較が抜けます。私は、入口の金額より先に、同じ年の支出を揃える順番を勧めます。
厚生労働省は「2 対象品目一覧」に2026年10月1日時点の一覧を掲載しています。スイッチOTCと非スイッチOTCが分かれています。OTCは薬局などで購入できる医薬品を指しますが、市販薬すべてが特例の対象という意味ではありません。
国税庁No.1129は、対象商品の領収書等に対象である旨が表示されると案内しています。パッケージの識別マークは一部の対象薬に掲載されるものです。マークの有無だけで決めず、レシートの商品名と対象品目一覧を照合します。分からない商品は薬局等に確認し、集計の時点では「未確認」と残します。
厚生労働省のページには、2027年1月1日施行と記された資料も並んでいます。2026年の支出を整理する際は、資料の施行日と支出の年を混同しないでください。「3 事務連絡等」には2026年10月1日付の証明発行の案内があり、令和8年分以後の確定申告と明示されています。
国税庁No.1129によると、一定の取組を行うのは申告する本人です。家族の薬代を集める場合でも、本人の健診等の確認は別に必要です。取組に要した費用は、特例の控除対象には入りません。健診の結果通知や証明になる書類を探すことと、薬代の合計を出すことを分けます。
私は、対象を調べられる一覧と、確認先が示されている点を評価します。記憶に頼らず、手元の商品名から確認できるからです。その上で注文したいのは、一覧の日付、施行日、申告年分の違いが、疲れた夜でも読み分けやすい案内です。新しい資料があるだけで、2026年分に全部使えると思わないほうがよいと考えます。
医療費控除とセルフメディケーション税制の比較は、同じ年分の支出を別々に集計して行います。国税庁No.1131には、一方を選んで確定申告書を提出した後、更正の請求や修正申告で他方へ変更できないとの注意があります。提出後に選び直せばよい、とは考えないでください。
今夜は結論より、書類を集めるところまでで構いません。封筒かメモを2つ用意し、通常の医療費控除用と特例用に整理します。候補になる同じ領収書を比較のため両方で確認することと、申告で両制度に計上することは別です。最終的な申告では一方を選びます。
2026年10月6日現在、2026年の支出はまだ年末まで揃っていません。手元の合計は途中の集計です。これから支払う予定の通院費を支払済みの額に混ぜず、2026年分を申告する時点で実際の支出を揃え直します。通帳の出金だけでは費用の内容が分からないため、明細も残します。
国税庁は領収書等について、確定申告期限等から5年間、確認のため提示・提出を求める場合があると案内しています。整理したから捨ててよいとは考えず、申告に使う証拠を保管します。年末調整の書類との違いも、2026年の基礎控除申告書の確認順で分けておくと、勤務先への質問と税務署への質問を整理できます。
住宅ローンの返済資金を確認する際は、控除の候補額と、返済日までに使える現金を分けます。税制の比較が進んでも、還付の有無・金額・入金日が分からなければ、その見込みで口座残高を補った計算にはしません。
大石浩之(磐田市/不動産業)として、私はこう考えます。控除で戻るかもしれないお金を、返済できる根拠にしない。制度の名前を覚えるより、次の引き落とし日に何円残せるかを先に見る。これは税務判断ではなく、宅地建物取引士として家の売却を考える前の段取りについての意見です。医療費の確認は、家計を判断する材料を増やす作業にしたいと思います。
私にも迷いがあります。還付の可能性を支えにしている方に、見込みから外すと伝えるのは、希望を削るように響くかもしれません。それでも、期待を口座残高の代わりには置けません。還付の可能性は別欄に残し、使えるお金として確定した段階で更新する形なら、期待を消さずに不足を見られます。
紙1枚に次回返済日、返済額、現在の残高、返済日までの確定した入出金を書きます。生活費と通院費を残した後に不足が見えるなら、税の申告結果を待たず借入先へ相談する準備を進めます。返済相談前に揃える4項目を、その下書きに使ってください。
病気で仕事を休み、収入も減っている場合は、傷病手当金と住宅ローン返済の確認順も材料になります。税の控除と給付は別の制度です。どちらも未確定の入金は分けて扱います。薬を増やして控除額を増やす発想や、控除のために必要な通院を減らす発想には向かわず、治療や薬の判断は医師・薬剤師に確認してください。
当社は任意売却を率先して勧めず、買い取る側にも回りません。家計の材料を揃えることと、借入先に返済方法を相談することは並行できます。売却が必要かどうかは、その材料から考えます。売る選択をする場合も、売却後の家賃や住まいの費用まで確認します。詰んだと決めるのは、まだ早い。ただし、返済日の確認まで先送りにはしません。
出典・確認日
国税庁の3資料は2026年4月1日現在の法令等。すべて2026年10月6日確認(2026年10月確認)。
制度・対象品目・手続は変わることがあります。2026年分の一般的な比較であり、適用可否・費用の区分・税額・選択する制度は税務署または税理士へ確認してください。法律の判断が必要な相談は、提携する弁護士・司法書士におつなぎします。

大石浩之(磐田市/不動産業)
宅地建物取引士。返済に詰まった方の順番を整え、売却後の住まいまで考えます。プロフィールと私たちの立場。
一次情報:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000124853.html
この記事のよくある質問
同じ納税者の同じ年分で、通常の医療費控除とセルフメディケーション税制を併用することはできません。支出を分けても併用にはならず、一方を選びます。申告後に更正の請求や修正申告で他方へ変更できないため、申告前に同じ年の対象費用を揃えて比較します。個別の適用と税額は税務署または税理士へ確認してください。
識別マークは一部の対象薬に掲載されるもので、マークの有無だけでは判断しません。レシートの対象表示と商品名を確認し、厚生労働省の対象品目一覧に照らします。本記事で確認した一覧は2026年10月1日時点です。不明な商品は購入した薬局等へ確認してください。申告する本人の一定の健診等の取組も別に確認します。
控除額はそのまま還付される金額ではありません。還付の有無・金額・入金日が未確定なら、次回返済に使える現金へ入れず別記します。返済日、返済額、口座残高、確定した入出金と生活費を並べ、不足が見える場合は税の申告結果を待たず借入先へ相談する準備を進めます。個別の税額や適用は税務署または税理士へ確認します。
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富士ヶ丘サービス株式会社/宅地建物取引士 大石浩之(静岡県知事 第027186号)。 記事の内容は執筆時点の法令・公表資料にもとづきます。 個別の事案の見通しを示すものではありません。