返済ノート

教育訓練給付金3種類の違い|自己負担で比較

この記事の結論

Q. 教育訓練給付金の3種類、自己負担はどう違う? A. 一般は20%、特定一般は40%、専門実践は50%が基本の給付率で、それぞれ上限があります。追加条件を満たすと特定一般は計50%、専門実践は最大80%です。ただし受講料は給付より先に支払います。最終負担と給付前の必要額を分け、住宅ローン返済に残すお金から比較してください。

資格を取って収入を増やしたい。でも、受講料を払うと住宅ローンの引き落としが心配になる。教育訓練給付金を比べるときは、給付率の横に「先に払う額」を置いてください。この記事は2026年10月2日に確認した公表資料をもとに、これから受講を考える方の負担を整理します。

給付率を見る前に、先払いと追加条件を確認

教育訓練給付金は、受講者が支払った対象経費の一部を後から受け取る制度です。受講料を最初から給付率分だけ値引きする仕組みではありません。講座側の一括払い・分割払いの条件と、ハローワークへの給付申請時期は別々に確認します。

一般教育訓練給付金は20%、特定一般教育訓練給付金は40%、専門実践教育訓練給付金は50%が基本です。どれも上限があり、雇用保険の加入期間などの受給要件もあります。「対象講座」と書いてあるだけでは、自分が受給できるとは決まりません。

特定一般の計50%は、修了だけで適用される率ではありません。目標となる資格などの取得と、雇用保険の一般被保険者等としての就職・在職が関わります。修了日の翌日から原則1年以内という条件もあります。2024年10月1日以降の受講開始が追加給付の対象です。

専門実践は資格取得・就職等の要件で計70%となり、さらに受講開始前より修了後の賃金が5%以上上がると計80%となります。この賃金上昇による追加も2024年10月1日以降の受講開始が対象です。詳しい判定は、ハローワークの専門実践の手続案内で確認できます。

意外に見えるかもしれませんが、最大80%の講座でも、初めに用意する受講料が2割になるわけではありません。就職や賃金の結果が出る前の追加給付を、次の返済日の残高として数えることはできません。

3種類の自己負担を、同じ40万円で比べる

教育訓練給付金の自己負担は、対象経費から受給できる額を引いて計算します。次の表は対象経費40万円、専門実践は1年間の講座と仮定した計算です。実際の講座や相談事例ではありません。受給要件を満たし、交通費などの対象外支出がないものとして比べています。

対象経費40万円の計算例(2026年10月2日確認)
区分基本給付・上限基本給付後の負担追加条件を満たした後の負担
一般20%・10万円32万円
給付8万円
32万円
特定一般40%・20万円24万円
給付16万円
計50%なら20万円
給付計20万円/上限25万円
専門実践50%・年間40万円20万円
給付20万円
計70%なら12万円、計80%なら8万円
年間給付上限は順に56万円、64万円

計算は、一般なら40万円−40万円×20%=32万円です。専門実践の最大給付なら40万円−40万円×80%=8万円。ただし、追加条件を満たさなければ、この8万円にはなりません。率を足して受け取るのではなく、すでに受け取った額との差額が追加されます。

上限にも注意が要ります。例えば対象経費60万円の一般教育訓練なら、20%の12万円ではなく上限10万円の給付となり、負担は50万円です。また、基本給付の計算額が4,000円以下なら支給されません。給付率だけで選ぶと、この差を見落とします。

40万円を払う時点と、基本給付後の負担を分ける図 対象経費40万円を一括で先払いする仮定では、3種類とも支払い時点で40万円が必要。基本給付後の負担は一般32万円、特定一般24万円、専門実践20万円。追加給付は条件を満たしてから別に計算し、住宅ローン返済用のお金と分けて考えます。 「先に払う額」と「最後の負担」は別 一括で先払いする仮定:40万円 返済・生活費を残して用意できるか確認 基本給付を受けた後の負担 一般32万円 特定一般24万円 専門実践20万円 追加給付は、資格・就職・賃金などの条件付き 対象経費40万円・専門実践は1年。対象外支出は別。
公式の給付率から作成した計算図。実際の支払日程は講座ごとに異なります。基本給付にも受給要件があり、給付前は自己資金が必要です。

ハローワークの一般教育訓練の案内では、交通費、パソコン等の器材費、クレジット会社への手数料などは対象経費に含みません。見積書の総額をそのまま給付率に掛けず、対象額と対象外の支出を分けてください。

受講前の手続と、給付の申請時期は違う

一般と特定一般の基本給付は、訓練修了日の翌日から起算して1か月以内に申請する案内です。専門実践の基本給付は受講開始から6か月ごとの期間について申請します。6か月ごとの期間の末日から起算して1か月以内、修了日のある期間は修了日の翌日から1か月以内です。

これらは申請時期であって、振込日ではありません。講座の支払期日を左に、申請できる時期を右に書くと、給付を待つ間のお金が見えます。入金予定が確認できるまでは、給付が住宅ローン返済日に間に合うとは置かない方がよいと私は考えます。

特定一般と専門実践では、受講前にも準備があります。訓練前キャリアコンサルティングを受け、ジョブ・カードを用意し、受講開始日の2週間前までに受給資格確認の手続を行う案内です。特定一般の手続案内も、受講前からの流れを示しています。修了後に申請すれば済む、と読まないでください。

雇用保険の加入期間や過去の受給歴も確認が要ります。初めて受ける場合の支給要件期間は、一般・特定一般が1年以上、専門実践が2年以上です。離職者には原則として資格喪失後から受講開始までの期間要件もあります。例外や通算の扱いがあるため、自分の履歴で照会します。

ハローワークは支給要件照会を来所、代理人、郵送、電子申請で受け付けています。電話だけでの資格照会は受け付けていません。仕事を休んで学ぶ間の収入については、受講費の補助とは分けて、教育訓練休暇給付金と無給期間の家計も確認できます。

10月1日に特定一般151講座が新規指定

厚生労働省の2026年8月6日公表資料では、2026年10月1日付けで特定一般教育訓練151講座が新規指定されました。同日時点の給付対象は計1,532講座です。これは特定一般の講座数であり、3種類全体の合計ではありません。

新規指定にはオンライン講座90講座、夜間52講座、土日52講座が含まれます。実施方法には重複があるため、足して新規講座数にはできません。働く時間を残して学ぶ候補を探す材料になります。数字は厚生労働省の指定講座の公表で確認しました。

私は、収入を保ちながら学ぶ日程の選択肢がある点を評価します。返済中の家計では、給付率だけでなく、受講のために減る給与も負担になるからです。その上で、講座案内には給付の最大額と同じ場所に、支払日と対象外の費用も示してほしいと思います。

指定が増えたことは、受講を急ぐ理由にはなりません。講座名が似ていても、学校、コース、受講開始日、指定期間を照合します。受講料無料の訓練も検討するなら、公共職業訓練と求職者支援訓練の比較が別の選択肢を整理する入口になります。

私は、戻る予定のお金で先払いを決めません

住宅ローン返済と資格講座を両立できるかは、給付後の安さより先に、給付前の残高で確かめます。私、大石浩之(磐田市/不動産業)は宅地建物取引士として、返済と住まいの判断に必要なお金の順番を重く見ます。

私はこう考えます。戻る予定のお金で、先払いを決めない。将来の収入増を目指すことには意味があります。ただ、資格取得も昇給も済んでいない段階で、最大給付を受けた後の負担だけを見て申し込むと、途中の生活費が抜け落ちます。家計の比較表には「基本給付まで」「追加給付がない場合」の欄も残します。

私にも、受講を延ばして手元資金を守るか、収入を増やす準備を始めるかは迷いが残ります。どちらがよいかは、希望する仕事と支払い予定を見ずには決められません。だから今夜の作業は申込みではなく、候補1講座の金額と日付をそろえるところまでで十分です。

  1. 講座の区分、開始日、対象経費と対象外費用を控える。
  2. 学校へ一括・分割の支払額と期日を確認する。
  3. ハローワークへ自分の受給資格、事前手続、申請時期を確認する。
  4. 給付前の各月に、生活費と住宅ローン返済を残せるか並べる。

不足する月があれば、受講や給付の決定を待たず、借入先への返済相談の準備を並行します。当社は任意売却を率先して勧めず、買い取る側にも回りません。家をどうするかを考える場合も、その後の住まいと生活費まで並べます。詰んだと決めるのは、まだ早い。まず支払期日を一つ確かめてください。

出典・確認日

厚生労働省の指定講座公表、ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」、本文中の各給付の公式手続案内を参照。2026年10月確認。原文確認日・公開日:。

個別の給付・返済について

制度、金額、指定講座は変更されることがあります。給付の可否と申請・入金時期はハローワーク、受講料の支払条件は学校、住宅ローンの返済条件は借入先へ確認してください。当社は給付の認定や法律判断を行いません。法律判断が必要な相談は、提携する弁護士・司法書士におつなぎします。ご自身で選んだ専門家にも相談できます。

この記事の著者、磐田市で不動産業を営む宅地建物取引士の大石浩之

大石浩之(磐田市/不動産業)
宅地建物取引士。返済で困った方の現在地と段取りを整理します。プロフィールと業務範囲は私たちの立場をご覧ください。

一次情報:https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_75309.html

専門実践の最大80%を、受講料の支払い前にもらえますか。

受講料の支払い前にもらう仕組みではありません。支払った対象経費に対し、基本の50%は6か月ごとに申請します。計70%には資格取得・就職等、計80%にはさらに賃金5%以上上昇の条件があります。申請日と振込日は別です。学校の支払期日までに用意するお金と、追加給付後の負担は分けて考えてください。

働きながらでも教育訓練給付金を受けられますか。

在職中の雇用保険の被保険者も対象になり得ます。初回の支給要件期間は一般・特定一般が1年以上、専門実践が2年以上ですが、加入履歴や指定講座などの確認が必要です。特定一般と専門実践は訓練前キャリアコンサルティング等の準備もあります。勤務時間と授業日程を比べ、申込み前にハローワークで資格を確認してください。

同じ資格なら、給付率が高い種類を自分で選べますか。

3種類は講座の指定区分で決まるため、受講者が同じ講座の給付率を自由に選ぶものではありません。資格名が同じでも学校やコースが違えば、指定の有無や区分が異なる場合があります。講座名、実施施設、受講開始日、指定期間をそろえて確認します。自己負担は給付率だけでなく、対象経費、上限、交通費等も含めて比べてください。

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富士ヶ丘サービス株式会社/宅地建物取引士 大石浩之(静岡県知事 第027186号)。 記事の内容は執筆時点の法令・公表資料にもとづきます。 個別の事案の見通しを示すものではありません。

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