返済ノート

住宅ローンの督促状と催告書の違い|期限の利益喪失前の3確認

この記事の結論

Q:住宅ローンを滞納してしまい、銀行から催告書が届きました。督促状とは何が違うのですか。 A:督促状は入金確認を促す初期の案内ですが、催告書は「期限の利益の喪失」を予告する重大な最終通知です。指定期日までに解消できない場合、残債全額の一括返済を求められます。競売申立の前に任意売却へ舵を切るための重要な分岐点です。不利な情報を隠さず、今日できる確認を整理します。

督促状と催告書は、危機レベルが根本から異なる

深夜にひとりでスマートフォンを見つめ、金融機関から届いた封筒を前に呆然としている読者の方へ向けて書きます。住宅ローンの返済が遅れ始めたとき、郵便受けに届く書面にはいくつかの段階があります。その中でも「督促状」と「催告書」は、同じ請求書のように見えて、法律上および実務上の重みが全く異なります。

サイトの背骨は『詰んだと決めるのは、まだ早い』です。①順番を整える ②任意売却を率先して勧めない ③買い取る側に回らない ④不利な情報を先に言う ⑤売って終わりにしない、の5条から外れずに解説します。煽り文句を使わず、事実と手続きのタイムラインを正確に把握することで、次に取るべき行動が冷静に見えてきます。

知っておきたい通知の性質 督促状は「支払いが確認できていませんのでお振込みください」という初期の入金案内です。これに対し、内容証明郵便等で届く催告書は、「指定期日までに全額支払わない場合、分割払いの権利(期限の利益)を取り消し、残債全額を一括請求します」という最終警告です。催告書を放置することは極めて危険です。

期限の利益喪失と代位弁済までのタイムライン

住宅ローン契約(金銭消費貸借契約)を結んでいる間、債務者は「毎月の決められた日に分割して返済すればよい」という法的な権利を持っています。これを民法上の「期限の利益」と呼びます。

住宅金融支援機構や一般的な都市銀行・地方銀行の約款では、返済の延滞が2〜3か月続くと「督促状」から「催告書」へ移行し、さらに放置して3〜6か月を経過すると「期限の利益の喪失」が確定します。手続きの流れは以下の順序で進みます。

  • 滞納1〜2か月(督促状・電話連絡):引き落とし不能の案内と、遅延損害金を加算した入金依頼が届きます。この段階であれば、借入先窓口へ相談して返済条件変更(リスケジュール)を申し出る余地が十分にあります。
  • 滞納2〜3か月(催告書の送達):「期限の利益喪失予告通知書」や「催告書」が届きます。指定された最終期限(通常2週間〜1か月以内)までに延滞分を解消しない場合、分割返済の権利が消滅する旨が明記されています。
  • 滞納3〜6か月(期限の利益喪失・代位弁済):保証会社が債務者に代わって銀行へ残債全額を一括返済(代位弁済)します。これにより債権が保証会社へ移転し、債務者は保証会社から残債全額の一括請求を受けることになります。
  • 滞納6か月以降(競売申立または任意売却):一括返済に応じられない場合、裁判所へ不動産競売の申立てが行われます。競売を回避して有利な条件で市場売却を図る「任意売却」を選択できるのは、この前後の限られた期間となります。

催告書を受け取った読者が、今日できる3つの確認

催告書が手元にある場合、残された時間は決して多くありません。しかし、パニックになって怪しげな金融業者や高額な手数料を要求するブローカーに連絡してはなりません。今日確認すべき具体的なステップは次の3点です。

  1. 書面に記載された「最終納付期限」を確かめる:催告書には、いつまでに支払わなければ期限の利益を喪失するかが日付で記載されています。まずカレンダーにその日を書き込み、残された日数を正確に把握します。
  2. 借入先の金融機関へ電話を入れ、現状を伝える:納付期限が過ぎる前に、借入先銀行の融資管理窓口へ連絡します。「催告書が届いたが、今すぐの全額支払いが難しい」と正直に伝え、返済猶予や任意売却への移行について相談の余地があるかを確認します。逃げずに連絡することが何より大切です。
  3. 残債額と不動産の現在相場を比較する:住宅ローンの残高証明書と固定資産税の納税通知書を手元に用意します。当社のような宅地建物取引業者へ相場査定を依頼し、売却によって残債を完済できるか、オーバーローンになるかを試算します。

当社は任意売却を率先して勧めません。まずは住み続けられる方法や条件変更の可能性を模索し、どうしても売却が避けられない局面に至った場合にのみ、不利な情報をすべて開示した上で任意売却の段取りをお手伝いします。法律上の債務整理や減免判断については、弁護士法第72条を遵守し、ご希望に応じて提携の弁護士や司法書士へ誠実におつなぎします。

一次情報:https://www.jhf.go.jp/

督促状を無視し続けると、いつ催告書に切り替わりますか?

金融機関によって異なりますが、概ね滞納2〜3回目(2〜3か月連続の引き落とし不能)で催告書へ切り替わることが一般的です。催告書は通常、書留郵便や内容証明郵便などの配達記録が残る形式で送付され、法的な最終通告となります。

催告書が届いた後でも、任意売却を選択することは可能ですか?

可能です。むしろ催告書が届いた段階や、保証会社へ代位弁済された直後の時期は、裁判所による競売開始決定が出る前に任意売却を申し出る最も重要なタイミングとなります。ただし金融機関(債権者)の同意が必要となるため、速やかな実務着手が不可欠です。

任意売却をすれば、住宅ローンの残債はすべて帳消しになりますか?

すべて帳消しになるわけではありません。売却代金で返しきれなかった残債(残余債務)については、債権者と協議の上で無理のない範囲(月々数千円〜数万円程度)で分割返済を継続するのが実務の原則です。免責や法的な整理を希望される場合は弁護士・司法書士へご相談いただけます。

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